ショートトラックスピードスケートのスタートを解説

競技ルール
著作者:viarprodesign/出典:Freepik

ISU(国際スケート連盟)のルールからショートトラックスピードスケートのルールを解説
初回はスタートについてのルールを解説します。

テクニカルルールは次のULRからダウンロードできます。
(直リンク)ISU SPECIAL REGULATIONS & TECHNICAL RULES

スタートの手順

スタートに関する記載はテクニカルルールのRule298にあります。

ルールを要約すると次のような手順となります。

  1. レフェリーがレース開始の準備を確認したら、スターターに合図します。
  2. スターターが笛を吹き、選手を集めます。
  3. 選手はスタートラインから少し離れたところに並びます。
  4. スターターの『Go To The Start』の合図で、選手はスタートラインの指定の位置に移動し、まっすぐ立って静止します。
  5. スターターの『Ready』の合図で、選手はすぐにスタートの構えを取ります。
  6. 選手が静止したら、スターターは定義された時間待機して発砲します。

スタート時の違反『False Start』

ショートトラックスピードスケートではスタート時に違反があった場合、『False Start』(フォルス スタート)が宣言されます。

スタート時の違反は以下のものがあります。

  • スターターが集合の合図である笛を吹いた後、制限時間内にスタートラインに到着しなかった場合。
    ⇒該当の選手のみFalse Startとなります。
  • 『Go To The Start』の合図後にブレード(スケートの刃)の先端を氷に突き刺した場合。
  • 『Ready』の合図後、次の6つのどれかに該当すると『False Start』となります。
    • ブレードがスタートラインに接するか超えた場合
    • 氷に手をついた場合
    • 両足のブレード全体が氷に接していない場合
    • 『Ready』の合図前にスタートの構えをとった場合。
    • 『Ready』の合図の後、遅れてスタートの構えをとった場合。
    • 選手が音を立てて、それに他の選手が反応して動いてしまった場合。
      ⇒音を立てた選手のみFalse Startとなります。
  • 発砲の合図の前に、動いた場合

スタート時に2回目以降にFalse Startを宣言された選手はペナルティー(失格)となり、レースに参加できなくなります。

再スタートが発生する場合

ショートトラックでは再スタートが発生することがあります。

  • False Startがあった場合
  • スタート後、最初のカーブの最後のブロック(ポイントとも)通過前までに妨害があった場合。
    ⇒スターターとレフリーに再スタートの宣言の権限があります。スタート時の違反(Penalty)はレフリーに判定権限があります。

2023/2024年シーズンからスタートのルールが変わる?

ISUがZero False Startのテストを実施

2022/23  シーズンのワールドカップ1~4戦と四大陸選手権でZero False Startの代替スタート手順がテストさ成功したことがISUの理事会で確認された模様です。2023年1月のISU Communicationで2022/23と2023/2024シーズンの『Zero False Start』の適用が発表されています。

Zero False Startの実施はISUが開催する国際大会に適用され、その他の国際大会はいままで通りのルールが有効であると記載されています。

Zero False Start採用後の変更点

スタートの手順に変更はありません。スタート時の不正があった場合、False Startではなく、Penalty(失格)となります。

スタートで以下の行為に該当選手にペナルティが与えられます。

  • スターターがホイッスルを吹いた後、制限時間内に集まらなかった場合。
  • 『Go To The Start』のコール後、ブレードの先端を氷に刺した場合。
  • スタートの発砲前に動いた場合、スタートラインにブレードが接した場合。
  • 再スタート時に遅れてスタートラインに到着した場合
  • スタートポジションを外れて、他の選手が動いてしまった場合。
  • スタート時に音を出して、他の選手を動かした場合。

『Ready』号令後のルールは要確認

Rule 298/8に記載されている以下の項目についてはペナルティの記載がありません。
文面上は『False Start』になると記載があります。
※レフェリーに確認したところISUでどこまでが対象か検討中とのこと。詳細を確認次第追記します。

  • スターターの『Ready』の号令後
    • スタートラインにブレードが接した場合
    • 手を氷についた場合
    • ブレード全体が氷に接していない場合
    • 構えが遅い場合
  • 『Ready』の号令前にスタートの構えをとった場合

今から、『Zero False Start』向けた取り組みを

『False Start』がなくなり、一回で『Penalty』が宣言されます。

今から『Zero False Start』に向けたスタートを取り組んでいくと良いでしょう。

製氷後の開始時刻の通知など運営側の通知も配慮が必要かもせれませんね。

日本国内での競技会は、ISUと日本スケート連盟規則に則って開催されます。
ISUのテクニカルルールと若干異なる部分がある可能性があります。

以上、ショートトラックスピードスケートのスタートに関するルールでした。

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